アデノウイルス感染症(プール熱など)
感染力が強く、保育園や幼稚園、小学校などで流行することが多いため、早期の診断と周囲への配慮が重要です。
「高熱が続いている」「目が赤くて涙が出る」「のどの痛みを訴えている」などの症状があれば、アデノウイルス感染の可能性があります。
アデノウイルス感染症(プール熱)とは
アデノウイルスというウイルスによって引き起こされる感染症の総称です。特に「咽頭結膜熱」は、目の充血・のどの痛み・高熱が特徴で、夏場のプールを介して広がることから「プール熱」とも呼ばれます。
全年齢で感染しますが、特に5歳以下の乳幼児や集団生活を送る小児で多く見られます。
アデノウイルス感染症の症状について
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高熱(39℃前後が数日続くことも)
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のどの痛み、咽頭発赤、扁桃腫脹
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目の充血、目やに、涙目(結膜炎)
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倦怠感、頭痛、関節痛
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下痢や腹痛(胃腸炎型)
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発疹(まれ)
ウイルスの型によって症状は異なり、軽症から重症まで幅があります。
アデノウイルス感染症の原因と感染経路
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原因:アデノウイルスの感染
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感染経路:飛沫感染、接触感染、プール水を介した感染(目や粘膜から)
手洗いや消毒である程度防げますが、感染力が非常に強く、家族内や保育園・幼稚園であっという間に広がることがあります。
アデノウイルス感染症の種類について
アデノウイルス感染症には以下のような型があります。
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咽頭結膜熱(プール熱):のどの痛み+目の充血+高熱
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咽頭炎・扁桃炎型:高熱とのどの痛みが主
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胃腸炎型:下痢、嘔吐、腹痛が主
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出血性膀胱炎型(まれ):血尿が見られる
アデノウイルスは再感染することもあり、型が異なると何度もかかることがあります。
アデノウイルス感染症の治療法について
現在、アデノウイルスに対する特効薬はありません。ウイルスが自然に消えるのを待つ「対症療法」が基本となります。
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診察・検査
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症状や流行状況からアデノウイルス感染を疑い、必要に応じて迅速検査を行います(咽頭ぬぐい液による簡易検査)
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治療内容
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解熱剤や痛み止めで熱やのどの症状を和らげる
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脱水予防のための水分補給指導
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二次感染(細菌感染)の兆候があれば抗生剤の併用を検討
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登園・登校の注意
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咽頭結膜熱(プール熱)は「学校保健安全法」により解熱後2日経過するまで出席停止
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医師による登園許可が必要な場合もあります
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アデノウイルス感染症についてのよくある質問
Q1. アデノウイルスに効く薬はありますか? A1. 現時点で有効な抗ウイルス薬はなく、自然治癒を促す対症療法が中心です。
Q2. アデノウイルスはうつりますか? A2. はい。飛沫や接触で簡単にうつります。ご家庭内でも手洗いやタオルの使い分けを徹底しましょう。
Q3. 何日くらいで治りますか? A3. 熱は3〜5日程度で下がることが多いですが、疲労感や咽頭痛は1週間ほど続く場合もあります。